動物には 肛門腺と呼ばれる 分泌線が あります。
肛門のすぐわきの 両側にあり 線の開口部は 肛門周囲の直腸内にあります。
動物は 理由なく肛門腺からの分泌物を排出するのではなく
外敵に襲われ 危険を感じた時に 肛門から排出し
排出物の 臭さで 外敵を威嚇するようです。
通常のトリミングで 人為的に 肛門腺を排出させます。
また 自然に排出できる 場合もあるようです。
ところが 細菌感染や 肛門腺腫など 何らかの原因で
肛門腺の分泌物が 腸に排出できなくなることがあるようです。
そうなると 肛門腺の中に 分泌物が溜まり続け皮膚が破け
排出できない肛門腺液が 皮膚の方に出てきます。

↑の写真の 1番が その状態で 黒く変色している所が 皮膚が壊死をした
部分です。
今回は 局所麻酔で 皮膚の壊死をした部分を切り取り
組織を早く修復するお薬を使いながら 治療しました。
オーナー様の 神業のような 管理で 2週間程度で 治癒しました。
肛門腺の自壊は 肛門の近くにおきますから 排泄物で
患部が汚れ 創傷治癒の妨げになるのですが
オーナー様のお手入れが 上手く 患部の清潔が保てましたので 時間がかからず 治癒したようです。
また この子は 血糖値がやや高めでした。
お食事から摂取した糖は 膵臓から分泌されるインシュリンとよばれる物質により 細胞の中に取り込まれますが インシュリンが分泌されなくなると
細胞の中に糖が入らず 血液の中に糖が残ります。
そのため 検査で 高血糖になります。
細胞の中に糖が入りませんと 当然 細胞にとってのエネルギー不足になりますから 体 全体の元気はなくなり 筋肉はやせ 小さな傷さえも 治りづらくなります。
今回は お食事療法のみで 管理いたしましたところ
1か月足らずで 血糖血も 正常になりました。
血糖値のコントロールが 上手くできたことも 創傷治癒が スムーズにいった
大きな理由です。
お食事の管理は もちろん オーナー様の ご協力なしには ありえません。
肛門腺が溜まると お尻を床にする 肛門周囲をしつこく気にする 舐める
便が出づらい などの 症状があります。
皮膚の自壊が起こる前に 肛門腺を排出するために 病院を受診なさって下さい。
また 血糖値を急速に上げる食事や 血糖値が常に高いダラダラ食い などは
糖尿病の原因となりますので お気を付け下さい。

友達が 送ってくれた写真です。 梅の花が 綺麗ですね。
雪が降る日もありましたが 春がそこまで 来ているようですね?