もうすぐ 15歳を迎える ダックスフンドのトリミングの
お話です。
ダックスフントは アレルギーを起こしやすい犬種の一つです。
10年以上前 当院に 外耳炎がなかなか治らないと ご来院頂き
以降 食事療法のみで 皮膚病を維持なさっていらっしゃいました。
ところが 1月の下旬ごろ 耳を痒がっているとの事で ご来院なさいました。
耳を診ますと 赤くただれ 外耳道 耳介 ともに 腫脹し 茶褐色の耳垢がみられました。
顔もいつもよりも腫れておりました。
詳しくお話を聞きますと いつも食べているお食事ではない物を食べたという事でした。
わんちゃんなども食事によるアレルギー反応が起こります。
食べた物の中に この子には合わない物があったのだと思います。
この場合 アレルギーに対するお薬を飲ませていただきます。
ですが、当院では なるべくお薬を飲まないで コントロールしたいと考えている病院です。
通院4回目で耳はだいぶ良くなってきたのですが やはり耳だけでなく 全身にフケが出る等 影響がありました。
皮膚病が治癒していくと 細菌や真菌に汚染された炎症をおこした上皮や真皮が
皮膚のターンオーバーで改善してゆきますが その際 痂疲つまりふけを生じる場合が多く 痂疲を無理やりはがしますと再度 炎症が引き起こされますので
適格な トリミングを行う事により 痂疲を落とし 皮膚病の治癒を早める事ができます。
痂疲の酷い箇所には 痂疲を溶かし落とす薬用シャンプー。その後 殺菌効果のある薬用シャンプー剤を使いトリミングを致しました。
↑の写真をみていただければ お分かりいただけると思いますが 今回のシャンプーで皮膚が良くなりました。
皮膚疾患のある子のシャンプーは シャンプーをするタイミング シャンプーの仕方に コツが必要です。
今回は 耳介の辺縁の 皮脂と痂疲が 酷く 毛髪を短めにし シャンプー剤が いきわたり 皮膚が治癒するときに生じるサン出液で 毛髪がからまないようにしました。
耳の毛は 2段階の長さで カットしています。
今回からは アレルギーに対するお薬は処方しておらず 経過をみてもらう事になりました。
皮膚炎を起こしている 動物は カットとシャンプーを 上手に組み合わせ
治療薬や 食事療法と 併用することで
治療速度をはやめ 皮膚病の子にも オーナー様の お財布にも 優しい
治療を心がけております。
お薬を飲まなくても皮膚が安定して過ごせれば とても嬉しいです。