今回は 少し珍しい 毛芽腫 という腫瘍のお話です。
猫ちゃんの足の指に 腫瘤ができ 数週間でみるみる大きくなった
とのことで ご来院なさいました。
ノルウェージョンフォレストキャットの避妊手術を受けている10歳の
女の子の猫ちゃんです。
↑の写真が 指にできた腫瘤です。
爪と肉球との大きさを比べますと かなりの大きさです。
手術で 腫瘤を切除しましたが 指 関節 顔 等の部位は 皮膚が
伸びず 腫瘍を皮膚ごと切除を致しますと 縫合をするのが難しい場所です。
では 腫瘍についている皮膚を残せばよいとお考えになる方もおられると
思いますが 腫瘍に接触した部分には 腫瘍の細胞があるかもしれませんので
できるかぎり 広い範囲で 腫瘍を切除した方が 再発の危険が 少ないのです。
今回は オ-ナー様のご希望が 指を残すとの事でしたので
爪や 指の機能に差し支えのないように 腫瘤を切除致しました。
オ-ナー様の協力で 術後 術創が 汚れることなく 傷も良くなり
無事に抜糸ができました。
切除した腫瘤を 病理検査に出したところ 毛芽腫 と診断されました。
毛芽腫は 毛包組織由来の良性腫瘍で 猫ちゃんでは
頭部や体幹部に 多く発生し ドーム状 ポリープ状 有茎状の腫瘤を形成するようです。